松本知之の陶芸作品や日々のこと。

ここ最近、何人かのお客様に同じことを尋ねられました。
「器を使ってると、表面にヒビのようなものが入ってくるんだけど。。。」
おそらく、写真のような状況だ思います。
これは「貫入(かんにゅう)」というもの。
貫入は焼成後の冷却時に生じた釉のヒビのこと。
キズでもなくあくまで釉薬のヒビです。
また、器にヒビが入っている訳ではないので漏れたりすることもありません。
昔の茶人は貫入が入った茶碗をことのほか好んだそうです。
それは時間の経過とともに使い込まれていく抹茶茶碗の変化を愛でる心とともに、
少しづつ茶渋が貫入に入り込み、新しい景色となっていく変化の過程も楽しみのひとつだったようです。
ただ、器の味わいでもある「貫入」も、
茶渋などの汚れ度合いが過ぎるとやっぱり気になりますよね。
その時の手入れとしては、ブラシやスポンジなどに食器用クレンザーを付けて、
ある程度まで汚れを落としてみるのも1つの方法だと思います。
気になる方は試してみてはいかがでしょうか?
好きな器だからこそ、なるべく長く使いたい。
僕の器もそう思ってもらえるように頑張りたいです。
以上、本日の器のうんちくでした(笑)